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小林泰三の本を読んだ

最近夏バテなのか年なのかなんなのか、体の調子がよろしくない日が続いています。
体力もないものだから必然的にこれと言って記すようなこともない毎日を送っているわけです。
人生を楽しむ体力もないなんて…。

とはいえ、買い物したり、娘とケンカしたり、娘を抱えてウロウロする元気がないといった程度なので、一日中娘とおままごとやらをして過ごすのはちょっとつまらない。
だので、読書週間(?)とすることにしました。

読んだのは小林泰三の臓物大展覧会。








タイトルはグロイですが、中身はそうでもありますん。(どっちだ)

……えーっと、全部で9作品収録されている短編集です。
トップバッターの「透明女」で死にました。
が、その他はそこまでグロさを感じさせません。
残りは気持ち悪くなるような話が半分、にやにやしてしまうブラックユーモアな話が半分。といったところかな。
「釣り人」が星新一オマージュっぽくて、このなかでは一番お気に入りです。

旦那と一緒に暮らすようになって、彼の蔵書をあさることがなければ小林泰三と出会わなかったのだろうと思うと、結婚してよかったなとつくづく思います(笑)。

この人の本は他にも何作か読んでいるのだけど、話自体はベーシックなものが多い気がします(SFはよくわからないので除く)。だから、展開もオチも読みやすい。
じゃぁ、彼のなにが他の人と比べてすごいのかと言うと、その「ドロドロとした雰囲気作りのうまさ」に尽きると思います。
全体に置いてどろっどろなのではなくて、作品ごと、場面ごとにその陰鬱な雰囲気のバランスが上手にとれていると思うのです。
ダメ人間の心理描写なんか描かせたら右に出るものはいないと言っても過言ではないのである。

HPなんかを見ているとただの面白いオッサンという気がするんだけど。
どうしてこんな淀んだものを書けるのか不思議です。
小林泰三にデスノートを持たせたら、ヒドイ殺され方をしそうで怖い。
by dorayaki1021 | 2010-08-20 00:34 | diary